感謝と反省とは?ラスベガスジャパンタイムス連載第23回記事

稽古(けいこ)

今回は、サムライが作った、日本の芸術と呼ばれている「剣道」の心について、少しだけお話します。

さて、全てのスポーツや武道では、試合で勝つと喜びます。ところで、信じられないかもしれませんが、剣道では、勝って喜ぶことは、悪いことだと教えています。剣道には、ガッツポーズなどの、喜びのパフォーマンスをすると、勝ちが取り消されるというルールもあります。このようなルールは、世界中で、剣道だけです。

なぜかというと、剣道は、肉体の強さを作るものではなく、精神を高めるための【修行】だからです。つまり、剣道の試合は、相手に勝って、自分の強さを証明することが目的ではなく、相手に負けて、どこに自分の心の弱さがあったかを、発見するために行うものなのです。それで、「試し合い」という漢字を用いるのです。

剣道には、「打って反省、打たれて感謝」という言葉もあります。

その意味は、相手に勝った場合は―今の勝ち方より、もっと良い勝ち方は無かったか―と【反省】しなさい。反対に、相手に負けた場合は―ああ、そこが自分の弱点だったのか、教えてくれてありがとう―と【感謝】しなさい。ということです。

このような心には、ガッツポーズが存在しないことが分かるでしょう。剣道とは、結果を【反省】・【感謝】して、明日のために、さらに高いレベル目指す【稽古】なのです。【稽古】とは、過去を考えるという意味です。

北辰一刀流 (第七代宗家 椎名市衛成胤)

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