北辰一刀流の流れについて

北辰一刀流剣術は、天才剣士・千葉周作が北辰夢想流と一刀流を合わせて創始しました。当時は日本一の剣術と言われ、門人の数も日本一を誇りました。どれだけ素晴らし剣術だったかということは、道場に来ていただければ、お見せいたします。

北辰一刀流の特徴はどこにあったかというと、

第一に、周作の人間性が良かったこと。

第二に、周作は頭が良かったので、指導が合理的で分かりやすかったこと。

第三に、そのため、門人の上達が早かったこと。これが評判になりました。

第四に、道場が和気あいあいとした雰囲気だったこと。などです。当道場にも、この伝統は流れています。

さて、明治になり、武士の時代が終わり、武徳会という全国組織ができ、剣術・剣道が統一されました。そのとき、剣道主任教授となったのが、北辰一刀流・内藤高治先生でした。つまり剣道は、北辰一刀流の思想と技術を根幹にして作られたのです。戦前までの剣道は、日本人の心の拠り所として、大変な力がありました。5人しかいなかった剣道10段、戦前の剣道指導者のほとんどは、内藤先生の門下生から生まれ、北辰一刀流剣道が、サムライの道として浸透していたのです。

ところが戦後は、学校剣道のような一斉指導が主流となり、道場稽古が廃れて、真の剣道は崩壊しました。戦前の剣道はプロの剣道であり、戦後の剣道は、アマチュアの剣道と言えるでしょう。

現代剣道は、試合や段を目標に置いて迷走しています。そこには最早、サムライの血は流れていません。他の武道団体も、武道の神髄を伝えているところは、見受けられません。北辰一刀流でも、宗家と名乗る者が乱立しています。みなさんは、どれが本物か、きっと迷われると思いますが、どうか、そこをよく研究して、だまされないようにしてください。

そのあたりの消息についても、道場に来ていただければ、詳しくお話ししたいと思います。

私は、縁あって北辰一刀流の跡目を継ぎました。それで、縁をつなぐ方を、日夜探し求めています。これを読まれるどなたかが、縁に続いてくれることを、切実に願っています。どうか、あなたに思いが伝わるように・・・そんな気持ち伝えるために、このHPは作られています。(成胤)